さびしさの方程式

Equation of loneliness

Category :  Inspirations
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今回は昔HPに載せた小説の視点変更リメイク。
というか続編のようなもの。

RAIN

この小説の視点を変えて書いてみる。


『RAIN』

「雨の日は嫌いだ」
猛暑の夏の日の夕立、雨宿りしつつ空を眺めながら、僕はこの言葉が口癖だった少女のことを思い出す。
「雨の日は嫌いだ」
彼女はいつも雨が降ると、憂鬱な顔をしながらグランドを見てたっけ。
そして晴れた日のある時間だけはいつもグランドを眺めて嬉しそうな顔をしていた。
視線の先には、いつも特定の誰かがいた。
だけど、誰を見ていたかは結局分からずじまいだった、いや、認めたくなかったのだろう。
なぜなら僕は彼女のことが好きだったのだから。
彼女とは一年間同じクラスでたまに席が隣になることもあった。
そして決まって雨の日の特定の時間にはこう呟いていたのだ「雨の日は嫌いだ」と。
「なんか、いつも雨の日は憂鬱な顔してるね」
一度だけ、こう聞いてみたことがある。
「頭が痛くなるから・・・」
「それだけ?」
「・・・うん」
彼女は雨の降るグランドをまた見てた。
あまり、彼女は他人に対して心を開きたがらない。同じクラスのやつらに対してもこんな感じで、必要最低限の言葉だけ交わすといった感じだ。
・・・もちろん、僕に対しても。
いじめの対象となることはなかったけれど、彼女は孤立していた。
だけど、そんな彼女のことが僕はずっと気になっていた。
恋に理由はない、とはいうが自分でもなぜそんな彼女のことを好きになったのか、わからない。
でも結局、へたれだった僕は彼女に想いを伝えることもなく、卒業した。

そんなことを思い出している内に夕立がやんだ。
僕は彼女との待ち合わせ場所に向かって一歩踏み出す。
この雨宿りで遅れたせいで、きっと彼女は頬を膨らませることだろう。
あの頃、僕らがクラスメイトだった頃に比べると彼女は随分明るくなり、そして随分大人になった。
でも、相変わらずこの口癖だけは変わらない。
「雨の日は、嫌いだな」




彼らがどこで再会し、付き合うに至ったか。
それはまた別の話。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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